写真家・服部恭平がINSTAX mini 99™で収める “現象”。写真と暮らしの健康な関係性
「写真は作品でもあり、僕がそこにいたという生活の記録でもあるんです」
そう語るのは、写真家として活躍する服部恭平さん。被写体に寄り添うような温かみあるポートレート作品が高い評価を集めています。
そんな服部さんが今回、INSTAX “チェキ”シリーズの最新モデル「INSTAX mini 99(以下、mini
99)」で日常の様々なシーンを撮影。カメラ内部に搭載された4つのLEDで光と色を自由に操る新機能を使った感想から、自身のクリエイティブにかける想いまで、幅広く話してもらいました。
PROFILE
服部恭平
1991年、大阪府生まれ。2013年に上京し、モデルとして東京やパリといった世界各国のランウェイショーや国内外のファッション誌で活躍。その傍ら、プライベートなライフワークでもあった写真作品が注目を集め、2018年から写真家として本格的に始動。フィルム特有のパーソナルな雰囲気を持ち味にファッション写真やポートレートで活躍。さらにはキャリアの中で築いてきた彼ならではのコミュニティを活かし、国内外のファッション誌やブランドのシーズンビジュアルなどを多く手掛けている。
「自然体で写真を撮りたい」。服部さんがmini 99で表現する色の世界
もともとはファッションモデルとして活躍していた服部さん。その際に同業者や著名なデザイナー、写真家と交流を深めていく中で、興味の対象は“写る側”から“写す”側へと移り変わっていきました。
「仕事柄カメラマンと会う機会が多くて、昔から“メカメカしい”見た目のものも好き。写真が僕のライフワークになったのは自然なことかもしれません」
服部さんの作品で特に印象的なのは、気のおけない友達との何気ないひと時を切り取ったようなポートレート写真。撮影をする際に意識しているキーワードは“自然”だと話します。
「例えば、写真を撮るためにお菓子を買ってくるよりも、そこに偶然あったお菓子を収めた方が、被写体と自然に向き合っているような感じがしますよね。そういう意味で、僕は自分が無理をしていない状態で撮った写真の方が好きなんです」
自分と被写体がそこにいるという“現象”をそのまま切り取る。そんな撮影という行為と哲学的に向き合う服部さん。mini 99に対しても独自の視点で感想を語ってくれました。
「かんたんに操作できるし、コンパクトだから相手に威圧感を与えない。普段使っているカメラよりも自然な状態を作りやすいです」
「今回はあえて適当に撮りたいなと思ったんです。普段はいい写真ってなんだろうとあれこれ悩むことが多いのですが、mini 99はもっとカジュアルな気持ちでシャッターを押せる。いつもより楽しく撮影できた気がします」
できあがったのは、車内での帰り際のひと時や、「そのセーター似合うね」と話しかけた後のワンシーンなど、プライベートな瞬間をおさめた作品。mini 99最大の特徴であるカメラ内部に4種類のLEDを搭載し、6種類の色調を操作できる「カラーエフェクトコントロール」機能も活用しました。
「青空には青色系、夜のネオンには緑色系のカラーエフェクトを合わせてみました。シャッターを長時間開く『バルプモード』や、写真の四隅を暗くする『ビネットモード』も雰囲気が出るのでお気に入りですね」
「mini99を持って行きたい場所はキャンプ場。2年前に車を買った時に友達と計画していたのですが、結局叶わずで……(笑)。今年こそは実現させたいですね。キャンプ場の空や焚き火にどんなカラーエフェクトを合わせようか、今から楽しみです」
いい写真を撮るには? 服部さんがたどり着いたシンプルな答え
「先ほどの言葉と少し矛盾しますが、僕は100パーセント自然な状態で写真を撮ることはできないとも思っているんです。僕がカメラを構えているということは、相手も“撮られる”と思っているじゃないですか。だから、被写体の表情は本当の意味では自然ではない。でも、そこにある緊張感や不自然さも含めて、僕の作品だと思っています。それに、撮影現場のことを知らない人が見て何気ない日常を切り取っていると解釈してくれるのも、写真の面白さなんです」
誰にどう評価されるかを気にせず、自分がいいと思える写真を撮り続けてきたという服部さん。その言葉には自身の個性や“色”を突き詰めたいという探究心と、自分が納得いく一枚が撮れるまで戦い続ける“覚悟”が感じられます。
「仕事とプライベートの境目はないですし、モデル業とカメラマン業も創作活動という意味では一緒。僕は一貫して好きなことをやって、自分なりにいいものを作り続けているんです」
「僕のことを一言で表すなら“精一杯”。どんなことであっても手抜きができないからです。だから写真のこともずっと考えてしまって大変で。撮らない方が楽だと思う瞬間もあるけど、撮らないと先に進めないんです」
じっくり言葉を選びながら、カメラの楽しさと辛さを真摯に語ってくれた服部さん。最後に、いい写真を撮るために今後やってみたいことを聞いてみました。
「写真は僕の作品であり、そこに自分がいたという記録でもあると思っていて。シンプルな考えですけど、友だちが増えればカメラを持っていく場所が増えるし、景色がいい場所に行けばすてきな写真を撮りやすくなる。だからこれからも好きな人たちと楽しく過ごして、心も身体も健康に暮らしていきたいですね。それがきっと自分の納得できる“いい写真”に繋がっていくはずなんです」
photo by Kana Tarumi
text by 山梨 幸輝
“チェキ”
INSTAX MINI 99
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