
奇妙礼太郎とさらさの響き合う感性。instax mini 99™でカタチに残す、色と記憶
「奇妙さん、雪が降ってきました!」
今シーズン最大級の寒波が直撃した日。凍えるような風が吹く中、都内のスタジオではあたたかな空気が流れていました。窓の外を眺めるのは、ミュージシャンの奇妙礼太郎さんとさらささん。公私共に交流があり、過去にはツーマンライブも開催した二人です。
太陽のようにキラキラとした歌声を響かせる奇妙さんと、月のようにクールな音楽性が魅力のさらささん。共通の趣味は、写真を撮ること。今回は二人がinstax™ “チェキ”シリーズの「instax mini 99™(以下、mini 99)」を使って、日常のさまざまな瞬間を撮影。お互いのチェキプリント™を眺めながら、「カラーエフェクトコントロール」による“色”表現などの感想から、二人の自己表現にまつわる話まで、幅広いテーマで対談してもらいました。
PROFILE
奇妙礼太郎(きみょうれいたろう / Strange Reitaro)
大阪府出身。1998年より音楽活動開始。年間200本以上のライブに出演。ボーカリストとして多数のCM歌唱も担当するほか、写真展も実施するなど活動は多岐にわたる。2025年4月23日(水)に「夢暴ダンス」(のん主演映画「私にふさわしいホテル」主題歌)を収録したフルアルバム「オールウェイズ」をリリース。
さらさ
自由な発想とユニークな視点を持つ湘南出身のシンガーソングライター。SOUL、R&B、ROCKなど、あらゆるジャンルを内包しつつ、どこかアンニュイなメロディと憂いを帯びた歌声で聴くものを虜に。悲しみや落ち込みから生まれた音楽のジャンル・ブルースに影響を受けた自身の造語“ブルージーに生きろ”をテーマに、ネガティブな感情や事象をクリエイティブへと転換し肯定する。
共鳴するふたり。mini 99で切り取る、色と表情
──まずは二人の交流が始まったきっかけを教えてください。
奇妙礼太郎さん(以降、奇妙):ライブの現場で会う機会が多かったですね。僕のバンドメンバーの中に共通の知り合いもいるので、自然と顔をあわせることが多くて。
さらささん(以降、さらさ):奇妙さんは本当に色々なフェスに出演していますよね。大抵の現場でお会いするなと(笑)。本番が始まる直前に奇妙さんが急いで入ってきて、観客を沸かせてサッと帰っていくんです。本当に忙しい人、という印象でした。
奇妙:それからさらささんがパーソナリティをやっているラジオに呼んでくれて。その時にたくさん喋りました。
さらさ:そうなんです。以前、奇妙さんがやっているラジオ番組で私の曲をかけてくださって。「聴いてくれてるんだ!」と嬉しくてお声がけしました。収録では口数が少なかった奇妙さんがだんだん笑ってくれるようになったのを覚えています。
奇妙:寝起きだったのかな?
さらさ:収録時間、夜でしたよ!(笑)。
──お互いの印象はどうですか?
奇妙:音楽がめっちゃかっこいいなと。人間性が音楽に出ているのかなと思いますね。あとこうやって話していると気楽に自然でいられるなと思います。
さらさ:奇妙さんの歌声は唯一無二。生で聴くとぐっと引き込まれるし、バンド編成とソロで印象が違うのもすごい。だからファンの方は何度もライブに足を運ぶんだろうなと思いますね。人間性でいうと、奇妙さんはステージの上と全く変わらない。私はよく「直接話すと全然違う」と言われるので、その自然体さが素敵だなと思います。
奇妙:逆に僕が舞台に立ってもさらささんみたいには全然なれない。その違いがやっぱりいいなと思いますね。
──今回はmini 99で撮影いただいた中から、お気に入りを厳選してもらいました。それぞれのチェキプリント™について教えてください。
奇妙:これは飼い猫のチロですね。mini 99の使い方を覚えたくて、家で色々試し撮りしたんです。
さらさ:かわいい! いつも猫のどんな瞬間を撮ろうとしていますか?
奇妙:どこを切り取ってもいいので、あまり考えていないです。猫は人間みたいに「写真を撮られている」と思わないのがいいんです。
さらさ:奇妙さんのチェキプリント™は同じ被写体を3枚撮ったものが多いですね。物語を感じます。
※左:絵柄フィルムPHOTO SLIDE(フォトスライド)、中央・右:絵柄フィルムCONTACT SHEET(コンタクトシート)を使用
奇妙:似たようなものが並んでいるのが好きなのかな。あとはライブ終わりにお客さんからいただいた“せとか”(ミカンの一種)。黄色に惹かれるんですよね。
さらさ:私は人以外のものを選びました。例えば外の壁を撮った写真。フラッシュを焚いたら絵画みたいになったのが気に入っています。あと、旅行とチェキ™は相性がいいなと思いますね。この前、台湾旅行にmini 99を持っていて。慣れない土地は全部が新鮮に見えるのでいろいろな風景を撮影しました。
──mini 99は6種類の“色”を使うカラーエフェクトをはじめ、さまざまな機能が搭載されています。
奇妙:5パターンの色がランダムで発色される「ライトリーク」が面白いです。自分では想像していなかった仕上がりになるのがワクワクしますね。あとは2回シャッターを押すと1枚のフィルムに2枚の画像が重なる「二重露光」モードも。「マゼンタ」のカラーエフェクトと掛け合わせて幻想的な雰囲気になったチェキプリント™がお気に入りです。
※絵柄フィルムPHOTO SLIDE(フォトスライド)を使用
さらさ:私は寒色が好きなので「ライトブルー」をよく使ったんですけど、人を撮るときは「セピア」が相性いいなと思いました。
奇妙:暖かい雰囲気になりますね。
さらさ:あと、今日のヘアメイク中、鏡越しに撮った写真もお気に入り。フラッシュを焚かなかったから暗くなっちゃったんですけど、ライトブルーのカラーエフェクトがその分引き立ってて。カメラだと失敗になりがちな被写体でも、mini 99なら作品になると思います。
──お互いのチェキプリント™を見た感想を教えてください。
さらさ:奇妙さんはいい意味でまとまってなくて自由。心が写るんだなと思いました。
奇妙:さらささんは真ん中に人がいたり、構図がはっきりしたりしていますよね。すごく意思が強そうな気もします。
さらさ:当たってますね(笑)。
奇妙:めちゃくちゃ真顔な僕の一枚がお気に入りです。
さらさ:なかなか人前で見せないような気の抜いた顔ですね(笑)。
奇妙:チェキ™って向けられてもあまり緊張しないからか、不意の顔が写りやすいなと思います。
──今回、「カラーエフェクトコントロール」機能を駆使しながら撮影してもらいました。お互いを色で喩えると何色でしょうか?
奇妙:さらささんは青のイメージがあります。使っているギターがグレー系だったりするからかもしれないです。
さらさ:奇妙さんは弾き語りとバンドで二面性があって、それぞれで違う色だと思うんですけど、黄色はどちらにも入っているように思います。そういえば先日、初めて一緒にお昼ご飯を食べたんですよ。
奇妙:共通の友人とみんなで中華に行ったんですよね。
さらさ:そのときに奇妙さんがお会計を払ってくれて。「ありがとうございます」と言って私が帰る準備をしたときにはもう店にいなかったんです。急いで外に出たら、奇妙さんの背中が遠くに見えて。そのアウターが赤かったんですよね。中華料理屋の色も相まって、赤の印象も加わりました。
奇妙:待てばいいのにね(笑)。
さらさ:改めて掴めない人だなと思いました(笑)。そういうところも唯一無二です。
「発表すれば作品」。音楽と写真に通じるもの
──お二人が写真を撮るようになったきっかけはなんですか?
さらさ:ミュージシャンになる前に勤めていたアパレル系の企業ですね。もともと美術系の学校に通っていたこともあって、採用されたときに「Instagramの運営用に写真を撮ってほしい」と言われて。それから積極的に撮るようになりました。
奇妙:音楽よりも先に写真だったんですね。
さらさ:歌はその頃からやってましたけど、ミュージシャンとしてデビューしたのはその3年後くらいですね。奇妙さんは何がきっかけですか?
奇妙:僕は2020年ごろにコロナでやることがなくなったことがきっかけです。最初はライブの記録を撮りたくて、一眼レフを買いました。最初は仕事用だったんですけど、もともと機械を操作するのが好きなこともあって、気づいたら日常的に撮るようになりました。
──音楽と写真はどちらも自己表現ですが、向き合い方は違いますか?
さらさ:音楽の方が作品として出来上がるまでに時間がかかる。その点、写真の場合はシャッターを押せば撮れますよね。視覚的な方がストレートに伝わりやすいし、ある意味で手軽にできる自己表現だと思います。
奇妙:僕は好きでやっているという感じなので、違いはあまり考えたことがないです。でも、どちらも続けていると誰かが気に入ってくれることがあって、何とも思わない人がほとんどでも、「自分は好き」と言ってくれる人に会えたりすることがあると思います。
さらさ:奇妙さんは普段どんなときに写真を撮っていますか?
奇妙:日常の風景が多いです。目で見るのと違う世界が写るのが楽しくて。特によく撮るのは花ですかね。あと、美味しかった缶チューハイも記念に撮っちゃいますね(笑)。
──チェキ™と普段使われているカメラの違いは感じますか?
奇妙:撮るだけでなく並べる楽しさがありますね。この小ささと四角い形が。
さらさ:分かります。物として愛着が湧くんですよね。あと、現像に時間がかからないし、スマホの写真フォルダみたいに埋もれていかない。後で見返すのに適していますよね。
奇妙:スマホは何年か前の写真を探すのが大変だったりしますけど、チェキプリント™は部屋に飾ったり壁に貼るとすぐ見つかるのもいいですね。あと、気に入っているけど置き場所がないものは、捨てる前に撮影します。
さらさ:最近は何か撮りましたか?
奇妙:うーん、缶チューハイかな?(笑)。
──写真が音楽の表現に繋がる瞬間はありますか?
さらさ:あります! 私はさっき撮ったチェキプリント™を見ながら歌詞をかけると思います。特に私は視覚的な情報からヒントを得ることが多いので、向いてるんだと思います。mini 99の「二重露光」モードは二つの要素を掛け合わせられるのも、アイデアが浮かびやすい理由かなと。奇妙さんは何かありますか?
奇妙:「とりあえずやってみる」姿勢でやっているという意味で共通点は感じています。
さらさ:発表した時点で作品になるという意味では写真も曲も一緒ですよね。
──今後、mini 99をどのように活用したいですか?
奇妙:友だちの子どもを撮りたいですね。カメラ本体からチェキプリント™が出てくる瞬間って見ているだけで楽しいので、子どもに喜んでもらえるかなって……あれ? 前回のインタビューでも同じことを話しましたね(笑)。
さらさ:人をたくさん撮りたいです。特に今年は「もっとあの友達と思い出を残しておけばよかったな」と後悔する機会が多かったんです。写真になればその人はずっと残り続けるじゃないですか。そこに写っている情報って想像以上に多くて。後で見返すと、その日の出来事から会うことになったきっかけまで思い出すことができる。特にそれがチェキプリント™みたいな愛着が湧くものになるなら、なおさら素敵なことだと思うんです。
※ instax、チェキ、チェキプリント、instax mini 99は、富士フイルム株式会社の登録商標または商標です。
※ チェキプリント™はイメージです。
photo by Kana Tarumi
text by 山梨 幸輝
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