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instax mini41の商品企画の今井さんとプロダクトデザイナーの兵藤さんの写真

担当者に聞く「instax mini 41™」に詰まったこだわり。“シンプルだけどクラシック”なエントリーモデルが誕生するまで

2025年4月17日、instax™“チェキ”シリーズの新作「instax mini 41™(以下、mini 41)」が、発売されました。ファッション性の高いクラシックデザインで、誰でもかんたんに撮影できるカメラです。商品企画の今井さん、プロダクトデザイナーの兵藤さんに、新製品のこだわりを教えてもらいました。

“クラシック”なチェキ™を目指して

今井さんと兵藤さんがインタビューに答えている写真

▲ 左:企画担当・今井さん / 右:デザイン担当・兵藤さん

──mini 41は、「instax mini 40™(以下、mini 40) 」に続く機種として登場しましたが、どんなところから企画が始まりましたか?

今井さん2年前くらいから企画が始まったのですが、最初はmini 40がどんな方々に使われたのか振り返るところから始めました。

それまでinstax™製品は可愛らしい見た目で、若い女性に使われるものが多かったのですが、mini 40はクラシックなデザインにしたこともあり、男性や大人の女性にまでファン層が広がった商品でした。

今井さんの写真

──振り返りを経て、mini 41はどんな人に向けて作ることになったのでしょうか。

今井さん女性はもちろんですが、mini 40に引き続き男性にも使っていただきたいと考え、若い男性に使ってもらいやすい製品を目指すことにしました。

──確かに若い男性が普段使いしやすそうなカメラに見えます。デザインはどんなコンセプトを立てられたのでしょうか?

今井さん一言で言うと、スタイリッシュでファッション性の高いクラシックデザインでしょうか。

兵藤さんそうですね。近年のinstax™シリーズはクラシックなデザインのものが増えているのですが、そのなかでもmini 41は80年代のクラシックさを意識した製品です。

と言っても、人によってイメージするものが違うと思うんですよね。そこで、「クラシック」を深堀した時に、Z世代を中心とするユーザー層がクラシックに感じるものってなんだろうと考えました。

デザイン資料の写真

50〜60年代はもはや博物館級、70年代はおじいちゃんやおばあちゃんの青春時代、80年代は自分たちの親が子ども時代を過ごした時代……。だとすると、80年代のものならZ世代でも祖父母の家で見かけたりテレビ番組で観たことがあったりと、どこか懐かしさを感じるんじゃないかなと思いました。それで、今回は80年代っぽさを散りばめたデザインにしています。

──具体的に、デザイン面でお二人が特に気に入っているポイントはありますか?

兵藤さん造形は特に頑張ったので気に入っています。80年代のプロダクトは、シンプルながらも力強さを感じさせるような造形をしていることが多いんです。カメラなら、レンズの周りがぐっと飛び出していたり、ボタンの箇所がボコっとしていたり。そんな要素はmini 41を作る際にも参考にしました。また、両側を丸くしてコンパクトな見た目にしつつ、しっかり握りやすい形にしています。うまくまとめられたんじゃないかなと思っています。

mini41本体前面の写真

それから、ピラミッドパターンのテクスチャーもこだわりです。これも当時のカメラを意識していますが、このご時世に新しいカメラではなかなか見られないので、新鮮に映るんじゃないかなと思います。

兵藤さんの写真

今井さん私は、所々に使われているオレンジの差し色が気に入っています。このオレンジがあることで、よりファッション性が高まったり、カジュアルに使ってもらいやすくなったりしそうだなと思います。パッケージなどにもオレンジを取り入れて、本商品のポイントカラーとしても使っています。

兵藤さんこれも、80年代のプロダクトをいろいろと調べるなかで気づいて取り入れた点でした。カメラなどは特に、黒をベースとしつつも赤やオレンジなどを差し色に使っているものが多かったんですよ。どこにオレンジを入れるかは最後まで議論しましたね。

mini41の試作品の写真

今井さんそうでしたね。正面の印字を単色じゃなくて白とオレンジの2色刷りにしたらどうかとか、レンズ周りのリングもオレンジにしたらどうかとか。小さなところですが、結構印象が変わるので面白かったです。

──色というと、ボディが真っ黒ではなく濃い目のグレーなのもすてきだと思いました。

兵藤さん最初は黒やシルバーも考えていたんですよ。ただ、男性にも使ってもらいたいとは思いつつ、重すぎる雰囲気にはしたくなかった。チェキ™ならではの楽しい世界観や人好きのするような雰囲気を出したくて、グレーを選びました。また、ファッション性というテーマもあったので、ただ黒で締めるのではなく、色を持った商品にしたいとも考えていました。

mini41本体とカメラケースの写真

今井さん色が決まった後も、塗装の調整で苦労しましたよね。

兵藤さんツヤの調整が難しかったですね。今回はちょっとツヤを落とした質感にしたかったのですが、それを量産していくのがなかなか大変で。複数のパーツを同じ色・ツヤに揃えるのにも苦労しました。それでも、最終的には納得のいく仕上がりになったと思います!

今井さんがmini41本体を手に持ちインタビューに答えている写真

いつでもどこでも、気軽に撮れる。毎日持ち歩きたいカメラ

──機能面はミニマルに作られている印象です。

兵藤さんものすごくこだわってじっくりと1枚1枚撮るというよりは、カジュアルに毎日の生活のなかで使っていただくことをイメージしているので、かんたんに撮れるカメラを意識しています。たとえば友だちと車でワイワイ出かけている様子とか、新しいスニーカー買った時とか、ふとした瞬間に撮っていただくのが良いのかなと。

看板や道路を撮影した3枚のチェキプリント

▲撮影:兵藤さん

今井さんそうですね。具体的な機能として特徴的なのは、「オート露光機能」です。自動で露光量を調整してくれるので、暗いところでもきれいに撮れます。ホームパーティーなんかで使うのもおすすめですね。

あとは、「クローズアップモード」も使いやすいと思います。近い距離でも被写体が画角の中心からずれることなく撮影できるので、道端で見つけたお花とか、お気に入りのアイテムとかをぱぱっと撮影するにも良いと思いますよ。誰でもかんたんに“いい感じ”の写真が撮れるのがmini 41です。

桜の木の下で人物を撮影したチェキプリント

▲撮影:今井さん

兵藤さんmini 40ではボタンで切り替えていたのですが、今回はリングをまわすことで切り替えられるようになっているのもポイントです。かんたんに操作できるけれど、アナログ的でちょっとしたガジェット感も味わえるようになっています。

──カジュアルに、日常的に使うというお話がありましたが、持ち歩きに使いやすいケースもかわいいですね!

兵藤さんケースも3つほど案があり、今の形になりました。ファッションの一部として、持ち歩きやすいようにと考えて作ったケースです。シンプルですが、キャンバス生地っぽい質感にしたりあえて前面にタグを入れたりと、80年代のスタンダードなリュックなどをイメージしています。

ケースの写真

──お二人のおすすめの撮影シーンはありますか?

今井さん友だちと楽しんでいる瞬間を撮るのがおすすめです。この季節だったら、お花見に行って、ワイワイとしている瞬間を撮り合いっこするなんて、楽しそうじゃないですか?

兵藤さん私はストリートスナップにおすすめしたいです。散歩しながらふと見つけたおもしろいものをパシャパシャ撮ったりしてもらったら良いのかなと。撮ったチェキプリント™はスマホケースに挟んだり、その場で友だちに配ったり、使い方もカジュアルに楽しんでほしいです。

人物や植物を撮影した3枚のチェキプリント

──最後に、mini 41ユーザーに向けてメッセージをください。

今井さんスタイリッシュでおしゃれなカメラができたと思うので、ぜひ持ち歩いてほしいです。家にいる時も、しまわずに飾っておいてもかわいいと思います。また、初めてカメラを買う人にも使いやすいと思うので、1台目のカメラとして選んでいただけたらうれしいです。私にとっては、入社後初めて担当した製品でもあります。ぜひ、楽しんでいただきたいです!

兵藤さんかっこよく持ち歩けるカメラを目指して作りました。クラシックでありながらも「古めかしい」ではなく「懐かしい」と感じられるようなものになっていると思います。イベントなど大きなことがなくても、普段からファッションアイテム感覚で気軽に持ち歩いてみてほしいです。きっと、友だちの輪の中でも注目を集められるはず…!

今井さんと兵藤さんの前にmini41本体とケースが置かれている写真

いつでもかんたん・きれいに写真が撮れるmini 41。ぜひ、ファッションと合わせて持ち歩きも楽しんでみてください。Cheki Pressでは、他にもmini 41の魅力をお伝えするコンテンツを掲載していく予定です。お楽しみに!

instax、チェキ、チェキプリント、instax mini 41、instax mini 40 は、富士フイルム株式会社の登録商標または商標です。

※ チェキプリント™はイメージです。

photo by 寺内 暁
text by 白鳥 菜都