松㟢翔平とチェキさんぽ。学生時代の記憶を辿りながら渋谷のミニシアターを巡る
ゲストを迎え、チェキとともに“ゆかりの街”を歩く連載シリーズ「チェキさんぽ」。第39弾は、東京と台湾を股に掛けて活躍している松㟢翔平さんが登場です。今回訪れたのは、松㟢さんがよく通っていたという渋谷の映画館「シアター・イメージフォーラム(以下、イメージフォーラム)」と「ユーロスペース」。映画に情熱を注いでいたという学生時代の記憶を辿りながら「 “チェキ” instax mini Liplay(以下、LiPlay)」片手におさんぽします。
松㟢翔平のチェキさんぽ
LiPlayはなつかしいカメラ
「初めてLiPlayを使ったんですけど、印刷も早いしフィルターで魚眼レンズのように撮れたり、いろいろできるじゃないですか。そういうおもちゃみたいな機能がけっこう好きですね。昔はこういう遊べるカメラってたくさんあったと思うんですけど、今はあんまりなくて。スマホのアプリもあるけど、精度がよくて思い通りになりすぎちゃう感じがあるので、この強引なくらいの魚眼とかセピアが、なつかしい感じがしていいなと思いました。」
シアター・イメージフォーラム
「イメージフォーラムは、大学時代に友達とか彼女とけっこう来てました。よく「イメージフォーラム・フェスティバル」っていうコンテストを開催していて、そこに入選するのが夢でしたね。エドワード・ヤン監督(台湾の映画監督)の作品をここで見たような気がします。でもイメージフォーラムは椅子がふかふかすぎて寝ちゃうんですよ。観に来たものの結局寝ちゃって、帰りに観た映画のDVDを借りて帰ってました(笑)。」
「これは最初に撮りました。硬いものよりも柔らかさを感じるものが好きで、透けてたり、状態が変わってしまうものが好きです。あとは赤っていうところに惹かれたのかも。」
「これもお手洗いに行ったらよくわからないものがあって、赤だし撮ろうかなみたいな。たぶん芳香剤ですね。」
「どちらも地下に続く階段から撮っているんですけど、地下に劇場がある映画館って意外と珍しいですよね。大学生のころはけっこう、この景色を見ていました。」
「通っていた時はいつも夕方だったので、昼間の時間帯に来たのは初めてです。サラリーマンの人が多かったのがすごく新鮮で、そういう街なんだと改めて思いました。下から見上げる感じが相まって、気のせいかもしれないけど、いつもと違う風景が見えているような気がします。」
「ポスターをチェキで再撮影しました。1枚目はタル・ベーラの『サタンタンゴ』っていう7時間くらいある作品です。再上映されていて、観に行く予定だったんですけど行けなかったやつ。かっこいいですよね。」
「これも映画のポスターを撮影しました。ずっと昔から再撮影という手法が好きで、学生時代はデジタルで撮影して編集したものを、8ミリカメラで再撮影して提出をしたりしてました。今回、チェキもフィルムなので、その手法を試してみました。」
ユーロスペース
「ユーロスペースはよく通っていた映画館で、昔から憧れの場所です。イメージフォーラムも思い出深かったりするんですけど、ユーロスペースの下のユーロライブで自分の作品を上映したりしてました。ロビーに貼ってある映画ポスターを見て、学生時代はこういう映画を作りたいなって思っていたんです。いわゆる「ある視点」といった映画が多く上映されていて、すごくこだわりきったポスターばっかりで、そういうところに憧れがありましたね。」
「好きな映画の3作品を再撮影しました。これは『SELF AND OTHERS』のポスター。牛腸茂雄さんというカメラマンの写真集をもとに作ったドキュメンタリー映画です。」
「こっちはレオス・カラックスの『汚れた血』。ジュリエット・ビノシュの名シーンで、映画学生なら必ず知っているし真似したいと思うし、かわいいです。僕の世代の映画学生にとって、レオス・カラックスはアイドルみたいな存在です。」
「これは『ゆきゆきて神軍』というハードコアな作品で伝説的な映画です。フライヤーもかっこいい。この3作品はすごく好きな映画で、ユーロスペースでも観たし、DVDでも観た作品です。」
「これは、シネマヴェーラの階段から撮った写真ですね。ユーロスペースって全体的に暗いんですけど、シネマヴェーラだけは明るいんです。それがいつも面白いなと思っていて。学生時代、自分の作品を上映するための打ち合わせで、この景色が見える部屋に通されたりしてたんです。そういう時、ちょっとテンションが上がったり。抜けている空を見て、それを思い出しました。」
クセがある方がおもしろい
「チェキはすぐに渡せるので、旅先で使うのもいいですね。今回はフィルターをかけなかったんですけど、フィルターをかけなくてもこういう色味が出たり、写真と一緒に音も撮れるっていうところもおもしろい。こういうクセがあるものの方が使っていておもしろいですよね。日常的に使うとしたら、やっぱり彼女を作って彼女を撮りたいです。」
「将来のことをあえて、あまり考えたりしないんです。だけど、ざっくり思っているのは、もっと好きなタイミングで好きな時間に好きなだけ行きたい場所に行けるようになりたいなって。住みたいかどうかは置いといて、次はモロッコとかポルトガルに行きたいです。台湾には8ヶ月住んだんですけど、現地の家族にご飯食べさせてもらったのがすごく楽しかったし、話の種になってるので、他の国でもそういう機会に遭遇できればいいなと思います。」
Photo by Ryosuke Misawa
Text by Misaki Nonaka
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