
フォトグラファー、Hiroki Yamaguchiと探るチェキの魅力とフィルムに残すこと
美味しいパン屋さんやクラフトビールのお店、スニーカーショップなどの複合商業施設ログロード代官山。こちらで開催されたイベント&ワークショップ<DAIKANYAMA PHOTOGRAPHER>の審査員・講師を努めた人気の若手フォトグラファー、Hiroki Yamaguchiさんはアパレルの広告で活躍すると同時にプライベートではフィルムカメラの愛好家だといいます。そんなYamaguchiさんが代官山近辺を「“チェキ” instax mini 90(以降、mini90)」を片手におさんぽ。プロの視点とスキルで撮影したチェキには参考になるヒントがいっぱい。ワークショップの様子も合わせて、Yamaguchiさんが思うチェキや形に残すことの魅力についてお届けします。
Hiroki Yamaguchiのチェキさんぽ
今まで知らなかったことを表現して、それをいろんな人に届けたい
「大学生のころからスマートフォンで写真を撮るのは好きだったんですが、周りの友達と一眼レフで本格的に撮り始めて、フリーランスのカメラマンとしてはまだ4年目ぐらいなんです。もともとは趣味からですね。写真と撮る行為の意味は大まかに二つあって、仕事では写真を撮ることで今まで知らなかったことを表現して、それをいろんな人に届けたいという気持ち。もう一つのテーマは日常を残すこと。ふだんから毎日撮るようにしていて、自分がおじいちゃんになったら写真がいっぱい残っていたらいいなという気持ちもあります。でも仕事と日常の写真の境界線は薄いなと思ってて。友達と遊びに出かけて試してみたブレ感やボケ感のある写真は仕事にも活かせたりするので。なるべくたくさん試してみたいですね。」
代官山周辺
▲撮影POINT モードはハイキーでフラッシュは焚かないので、ブレないようにしっかりホールドして。ラベルを際立たせる感じで。
「まず、ボトルの曲面の反射が面白いのと、いっぱい並んでいるボトルの中で一番かわいいなと思った赤と黄色の絵の女の子のラベルを中心に撮ってます。」
▲撮影POINT 最初はきれいな縦線、横線にしようかと思ったんですが、角のところを狙って放射状になるようにした方が面白いなと。ハイキーでフラッシュなしで撮っています
「歩いていると色を探すことが多いんですが、青が少ないなと思った時に見つかったので撮っておきました。映り込みのモヤモヤした感じも面白い。」
▲撮影POINT 下半分が緑で、上半分はお店の中のスニーカーが写ってるんですが、代官山はおしゃれなアパレルのお店も多いので、そういう側面も撮れたらいいなと思って。映り込みで背景にあった工事のクレーンには気がついてなかったんですが、今の代官山らしさが出ているのかなと。
「こちらも緑のカラーが目についたので撮ろうと思いました。再開発が進む令和元年の写真という感じで、来月になったらないかもしれないし、今日しか撮れない写真になったと思います。」
▲撮影POINT ブレ感を出したいと思ったのでシャッタースピードが遅くなるハイキーモードで、そして電車がすれ違う速度は速いのでそれに合わせてシャッターを切って躍動感を出しています。ハイキーも二段階あって、一番明るいハイキーだと電車の表面が飛んでしまうのでふつうのハイキーで撮っています。
「渋谷と代官山の街並みが少しでも撮れたらいいなと思って。」
▲撮影POINT 両方ともマクロモードでハイキーにはしないで通常モード、フラッシュは焚かずに撮影しました。基本的に黒はしっかり写るので、逆に黒潰れしないバランスで。かといって絵なのでブレたら良さが伝わらないのでグッと寄ってしっかりホールドするのがコツですね。
「街を歩いていると視覚情報がいっぱい入ってくると思うんですが、見つけて面白いと思ったものは必ず撮るようにしています。これは運良く、同じような絵のタッチが見つかったので両方撮りました。先に男性の方が見つかったんですが、女性がいて男性が写真を撮っているような感じになりましたね。男性の絵はカメラマンなので、僕と気が合いました(笑)。」
プリントを見ながらいろんなことを感じてもらう
「フィルム写真は写真ができあがったときの出会いの楽しさや驚きがあってやめられないですね。そしてプリントにして残すことが大事で。プリントした写真を見ながらいろんなことを感じてもらう、そこに価値があると思います。以前、沖縄にロケに行った時に、海の撮影を小学生たちに手伝ってもらったんです。その時『カメラマンなんだからなんかちょうだいよ〜!』って言われて、何も持ってなかったんですけど、チェキで撮ってあげたらすごくよろこんでくれて。あげちゃって悔しい気持ちになる写真が撮れたりもするんですけど、それも世界に1枚しかないチェキの写真ならではだと思います(笑)。」
「データに残すことはスマートフォンでもできるんですけど、チェキはその場でプリントしてくれるので形に残すことができるのがいいですね。その場にいた人にも渡せるし、一台あればみんなが楽しめるカメラだというのは魅力的です。」
MUSTARD HOTEL SHIBUYA
▲撮影POINT 二重露光で両方とも設定はローキーでフラッシュを焚いています。「1」は黒なんですが、そこに色をのせることを狙って撮って、その後に赤でペイントされた模様があったので、それを撮って重ねています。全部が赤だと二重露光の感じがなくなるので、ずれ感はある方が面白いかもしれませんね。
「街を歩くとナンバーがたくさん転がっていて、撮影したたくさんある写真の中に混ぜるとストーリーや意味を持たせやすいので、今回もいいナンバーがあれば撮りたいなと思って、たまたまホテルのエレベーターの字体が良かったので撮りました。」
▲撮影POINT これはドアの反射に自分の腕を入れたいのと、背景にある自転車も撮りたかったので、フラッシュなしのローキーです。ハイキーにしてしまうと色が飛んでしまうので、明るいところと暗いところのバランスを半々ぐらいにするようにしています。
「一人で散歩してると、自分を介在させるようにこういう写真をたまに撮ります。自転車の輪郭がもやもやしていて面白いけど、黒の線があるので構図的にしっかりした感じが出ています。」
▲撮影POINT ローキーでフラッシュありに設定。黄色の椅子がフラッシュで白っぽくなるのは嫌なんですが、奥まで撮りたいのでローキーにしています。
「椅子を真正面から撮りたい気持ちをまず抑えて、どの角度が面白いか、いい形で撮りたいという気持ちで探してみました。そこで、黒いフレームの中にもう一つフレームを作る感じで、手前の椅子の側面をフレームにして白いテーブルと奥の椅子の距離感を大事に撮ってみました。」
▲撮影POINT フレームの中心に僕がいるんですけど、躍動感が出るので少し斜めにしています。これは通常モードでフラッシュを使用しています。
「これも自分を写真に介在させたいなと思って。エレベーターが閉まる瞬間に撮って、四角の中に四角があって、ドアの四角があって僕がいる、みたいな(笑)。」
撮った時の偶然性や出会いが好き
「今はモニターに映るハイブリッドなチェキもありますが、撮った時の偶然性や出会いが好きなので、mini90を選びました。しかもハイキーやローキーを選んだり、細かく設定できるので、思い通りの写真が撮りやすいかなというのもあります。mini90の機能で注目したのはマクロ撮影モード。被写体に30センチまで寄ることができるので、例えば絵にフォーカスしたり、お花に寄ったりしてふつうのマクロ撮影と差をつけやすいのはありがたいです。しかもマクロ撮影にハイキーとローキーをうまく組み合わせれば、残したい部分はしっかり残したり、逆に全体的に明るく撮りたいとか、細かい設定ができるのは楽しいところですね。」
「これまではフィルム撮影と友達を遊びながら撮るスタンスだったんですが、2020年からは1年〜2年通して一貫したテーマを持ってフィルムカメラでの撮影をするということをスタートしたいなと思っています」
DAIKANYAMA PHOTOGRAPHERレポート
ログロード代官山でのワークショップ<DAIKANYAMA PHOTOGRAPHER>には先着順で選ばれた、10〜20代の女性から、カップル、男性同士、小さなお子さん連れの方など幅広い写真&チェキ好きが集合。Yamaguchiさんが多彩なチェキそれぞれの特徴を知っているようで知らない初歩の使い方からレクチャーしていきます。
今回、ワークショップで使用するために用意されたチェキは「“チェキ” instax mini 8+(以降、mini 8+)、「“チェキ” instax mini 25(以降、min i25)」、「“チェキ” instax mini 90(以降、mini 90)」、「“チェキ” instax mini LiPlay(以降、LiPlay)」、「“チェキスクエア” instax SQUARE SQ20(以降、SQ20)」の5種類。
mini8+は単三電池2本で動くので、充電器が不要なため旅先などで充電が切れた場合も電池があれば撮影ができるメリットを強調。そして最初は意外とわからない電源ボタンとシャッターボタンの位置を確認してもらいます。他の機種も全てこの初期動作に必要なボタンの位置を示し、mini25にはシャッターボタンが二ヶ所あり、縦撮り、横撮りができることや、セルフィーに便利なミラーがついている仕様を説明。
今回、Yamaguchiさんが撮影に使用したmini90については、撮影時にハイキーやローキーといった明るさ調整や、速く動く被写体も撮れる「キッズモード」や、被写体にグッと寄ることができるマクロモードなどがあることを説明。そしてハイブリッドな機種であるLiPlayについては、モニターでプリントしたいチェキを確認、加工できることや、音声をQRコードにして一緒にプリントできる。“チェキスクエア”のSQ20も同様モニターで確認しながら撮影し、選んで撮影することができ、ズーム機能や動画の撮影が可能でmini90の機能のクリエイティブなモードもついている。そして、今回のワークショップで撮影できる枚数は10枚限定なので、しっかりイメージを描いて、それぞれの設定を生かすようにアドバイスしていました。
各々の特徴を概ね把握した参加者は順次、使用したいチェキを手に、所定の範囲内で代官山の街に繰り出し、チェキさんぽへ。具体的に撮りたい写真の具体的なテクニックをYamaguchiさんに質問する参加者も多く、チェキやフィルム写真への関心の高さを実感!
具体的な撮影手法がわかると、実際にチェキを使ってみたくなる人も多いのでは。あなたならではのセンスあふれるチェキを残してみませんか?
★Hiroki Yamaguchiリンク
公式サイト instagram
★代官山LOG ROAD関連リンク
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Text by Yuka Ishizumi
Photo by Haruka Yamamoto
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