濱田英明×SQ6|真四角チェキは唯一無二の存在、隙間を埋める真四角の魅力を探る
写真集『DISTANT DRUMS』をはじめ、国内外の雑誌や広告撮影で活躍する濱田英明さん。濱田さんは「“チェキ”instax SQUARE SQ6(以降、SQ6)」の愛用者でもあります。そこで今回、SQ6で撮影いただくと同時に真四角チェキの魅力やフィルム写真の持つ意味なども伺ってみました。
PROFILE
濱田英明
写真家。1977年、兵庫県淡路島生まれ。2012年、35歳でデザイナーからフォトグラファーに転身。同年12月、写真集『Haru and Mina』を台湾で出版。2019年、写真集『DISTANT DRUMS』(私家版)を出版。
Interview:濱田英明
──濱田さんが写真家になられた経緯や思いを教えてください。
ずっと趣味では撮っていたんですが、のめり込んだのは自分の子どもが生まれてからなんですよね。親なら子供の写真を撮るのは当たり前のことだと思いますが、それを誰かに自然な気持ちで見てもらうのってとても難しいんですよね。それで僕は“見た人のものになる”っていう言葉を使うようにしてるんですけど、いかに見てくれた人自身が自分に重ねられるかっていうのをすごく考えるようになりました。なので常に写真を通して見た人が何かを感じてくれるといいなと思っています。
──ご自身にとってチェキはどんな存在ですか?
カジュアルだけどスマホほどじゃない。ちょうどぽっかり空いた使い方があるとしたら、そこにハマるのがチェキなのかなと思っています。
チェキで人を撮らせてもらうときに顕著なんですが、一番の持ち味はその場で渡せるからコミュニケーションが取れること。それと、色味も予想以上に良く写る。その期待はデフォルトとしてある感じですね。
真四角というのがないものを埋めてくれてる
──今回、「グラフィカル」、「風景」、「人物」の3つのテーマで撮影いただいたようですが、それぞれポイントについて教えてください。
──「グラフィカル」──
グラフィカルは見ての通り、そこにあるものの意味や機能を写すのではなくて、形とか色で断片的に切り取ったものです。それがSQ6だと真四角なので、きれいにできるんですよね。縦横、天地がないので、簡単にいうと構図の納まりがいいんですよ。真四角だとパッと納めれば、どんな被写体も良く見えます。
──「風景」──
風景は自分が行った先々の思い出や、きれいだなと思ったものを純粋に撮っています。僕は、同じ場所でカメラを使い分けるときに、スマホで撮るほど手軽な感覚じゃない、でも中判フィルムカメラで撮るほどの気分でもない、そういうあいだの感情を埋めてくれるツールがチェキだと思っています。スマホだと撮影したことさえ忘れてしまうこともあるので、それよりもちゃんと残しておきたいと思えたときが、チェキの出番なんだと思っています。
「光は全部、自然光で撮るようにしてますね。それが一番きれいに出る気がして」
──「人物」──
渡したらOK!みたいに通じ合えるのは、海外のほうが日本人同士より言語などのギャップがあるぶん感動がありますね。みんな何となく直感的に理解しているというか、これはいいものである、価値のある尊いものである、と言葉にしなくても理解していると思うんです。
──真四角で撮るとき、慣れてない人は何を注意したらいいですか?
撮りたいものを全部真ん中に入れたらいいと思います。真ん中に置くと全てがうまくいくのが真四角の画角の魅力。でもテクニックよりも、どういうものを見つけていくかっていうことの方が大事で、誰も見てないところを改めて自分の目線で切り取ることで、自分のいる世界がより新鮮に思えたりするんです。
──では真四角チェキの魅力について教えてください。
真四角チェキ、SQ6を使った撮影はあまり他にない感覚。僕らはふだん、全部“長方形の世界”でものを見て生きてるので、真四角という画角は新鮮で面白いと思います。あとはやはり、撮ったその場でパッと一枚出てくるという意味では唯一無二の存在だと思うんですね。そういったいろんなものの隙間を埋めてくれる。使い方は人それぞれだと思いますが、他のカメラで埋めてくれないものを埋めてくれるのがチェキなんだと思います。
Text by Yuka Ishizumi
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