
水墨画アーティスト・CHiNPANが語る「変化」と「愛しい瞬間」/ “チェキ” instax mini Evo インタビュー
独自の感性とクリエイションで人々の心を揺さぶる表現者の“視線”に迫る連載企画「見せてよ、きみが見てる世界。」がスタート。12月に登場したチェキシリーズの新モデル「“チェキ” instax mini Evo(以降、Evo)」を使ってゲスト自身が撮り下ろしたチェキプリントと共に、感情を伝える方法や、表現に対するこだわりを伺います。
第八弾に登場するのは水墨画アーティストのCHiNPANさん。ミュージシャンへのビジュアル提供のほか、ボディペイントやファッションブランドの店内装飾も行うCHiNPANさん。水墨画を始めたきっかけやカメラとの関わり、愛娘・キキちゃんのことなど、幅広く話してもらいました
PROFILE
CHiNPAN

水墨画アーティスト。
1996年より琳派水墨画を師事。2008年に国立新美術館「アジア創造美術展」入選をきっかけに水墨画家としてのキャリアをスタート。水墨画の「融合」と「再生と死」を主な題材に取り組んでいる。古典的な手法から自らのコントロールの効かない独自の手法まで、和紙だけに留まらず立体物製作空間装飾、ボディペイントなど表現の可能性を広げている。店舗内装やファッション、音楽関連のビジュアル制作等、幅広く活躍中。
「好きなものを描けばいい」。形にとらわれない水墨画表現が生まれるまで
「水墨画を始めたきっかけは小学生の頃。よく図工室に通っていたのですが、ある日、先生に『水墨画をやってみなよ』と筆と和紙を渡されて。それまでも水彩画や油絵を描いていたけど、すぐ飽きていたんです。乾きやすいし、黒一色で表現できる水墨画は、そんな私でも続けられると思ったんでしょうね。実際、それから8年くらい近所の水墨画教室に通いました」
ボディペイントやライブペインティングなど、既成概念にとらわれない方法で水墨画の可能性を広げるCHiNPANさん。独自のスタイルが生まれた背景には、もう一人の“先生”の影響があったそうです。
「水墨画教室に通い始めたものの、最初は日本的な世界観の良さは分からなかったです。それでも、先生は『好きなものを描けばいいよ』と受け入れて、どう表現するかを一緒に悩んでくれて。時には真逆な世界観のクリスマスツリーを描いたことも(笑)。水墨画の楽しさと、型にとらわれずにやればいいという姿勢はそこで教わりました」

CHiNPANさんいわく「唯一続けられていること」である水墨画。長く続けていく過程で、水墨画に対する考え方も変化していきます。
「数年前までは、『好きなアイドルと関わる表現方法を考えた結果、彼女たちにボディペイントをする』といった具合で、水墨画は“好きなものと繋がる手段”でした。でも以前、油絵をやっている友人に『墨汁は環境に優しいから排水しやすいよね』と言われて。水墨画がサスティナブルな表現方法だと気づいたんです」
近年では、端材で作られた極小サイズの額縁『豆額』を活用したサスティナブルな作品を制作。いずれは海外に向けて水墨画の魅力を伝えたいと話すCHiNPANさん。そのきっかけは、2019年に生まれた愛娘・キキちゃんでした。
「海外に住んでいる友人の話を聞くほどに、私自身、興味が湧いてきて。キキちゃんにもいつか海外の文化を触れさせたいなと思いました。そのために、私も活動の幅を海外にも広げたい。といっても、水墨画の世界はまだまだ知らないことだらけです。今は掛け軸作りに挑戦中。子供ができて一番の変化は、“攻め”の姿勢になれたことですね」
「シャッターを切るのは、愛おしさを感じたとき」。CHiNPANの“パーソナル”な写真表現

「私にとって、自己表現の場は水墨画だけ。写真は誰かに見せるために撮影するのではなく、個人的に楽しむものですね」と話すCHiNPANさん。家族以外の写真を撮ることはほとんどないのだとか。
「カメラを買ったのは夫と付き合いたての頃。当時飼っていた愛犬のグリちゃんが高齢になって、この先長くないと診断されてしまって。お手軽なスマホではなくフィルムカメラで日々の記録を残したいと思いました。最初は夫とグリちゃんの仲が悪かったんですけど、徐々に距離が縮まっていって。そんな関係の変化を捉えるのも楽しかったですね」
キキちゃんが生まれてからはチェキでも“日々の記録”を残しはじめたというCHiNPANさん。最新機種のEvoを使った感想についても伺いました。
「10種類のレンズエフェクトと10種類のフィルムエフェクトをかけ合わせて、100種類の表現ができるんです。中でもハーフカメラのエフェクトは、2枚の写真を並べて時間の経過を表現できるから好きですね。お気に入りはキキちゃんが毛布を被って『いないいないばあ』をしている写真。私がシャッターを切りたくなるのは、愛おしさを感じた時です」
「とっても多機能なのに操作が簡単なのも驚きました。今回撮影した中にはキキちゃんが撮った写真もあるのですが、2歳の子どもでも扱えるってすごいなと。あとはとにかく軽い!子どもと一緒にいる時にストレスなく持ち歩けるのも、ママにとっては嬉しいポイントだと思います」
チェキプリントに日付を書いて、チェキアルバムに保存しているというCHiNPANさん。「撮り過ぎて、すでに一冊いっぱいになってしまったんです」と話します。これから撮影しに行きたい場所についても聞いてみました。
「ベルリンやポートランドのような、芸術が身近にある街に行ってみたいです。滞在するなら2、3日ではなく、思い切って2週間くらい。ただ旅行するより、スーパーで食材を買ったり、行きつけのカフェを作ったりと、そこで“いつもの延長”のような暮らしをしたいです。旅先の思い出でまたアルバムを埋めたいですね」
「海外旅行を通じて、キキちゃんが『日本よりもいいかもしれないね』とか、もちろんその逆の『やっぱり日本がいいね』という感想を持ってもいいと思うんです。そうしていろいろな文化の中で“好き”を作ることで、彼女の選択肢が増えたらいいな。実は私、もともとは超がつくインドアで、海外に行くなんてもってのほかだったんです(笑)。びっくりですよね、人って数年でこんなに変わるんですよ」
text by 山梨 幸輝
photo by 中村 寛史
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