
花を買う感覚でアートを手に入れる。<A4 Art Project>に秘められた可能性とは?
ふらっと食事に訪れたお客さんが、アーティストのファンになる
9月17日(木)に行われたオープニングレセプションにはアーティスト本人も多数来場、DJパフォーマンスやライブペインティングも行われ、閉店間際までゲストが途絶えることはありませんでした。
今回<A4 ART Project>のキュレーターを務め、自らもアーティストとして活躍するGOSPEL氏は「アートを“見せる”ことのアプローチはみんな一生懸命やるんですけど、“売る”ということまでちゃんと踏み込める人って少ないんですよね。それこそお金持ちが集まるギャラリーやコミュニティの中で回してばっかりで……。でも“アートを買う”、“コレクションする”という土壌が育たないことには、シーンも活性化しないじゃないですか?」と、日本のアートシーンの現状に警鐘を鳴らしています。
「海外の人たちって、花を買う感覚でアートを買うんですよね。ライブペインティングをしている最中にも、『この絵いくらで売ってるの?』って気軽に訊いてきて。日本人ってコレクター魂が凄まじいんで、ちょっと気持ちを揺さぶってあげれば、アートもすごく面白いことになると思うんです」(GOSPEL氏)。
ふらっと食事に訪れたお客さんが展示されたアート作品を見て、そのアーティストのファンになる。または、お気に入りの1枚を購入する。ひいてはそれがアートシーンを盛り上げることに繋がっていく――。<A4 ART Project>は、そんな可能性を秘めたプロジェクトだったに違いありません。
text by Kohei UENO
photo by 横山マサト
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