WONK・長塚健斗が語る「作詞」と「写真」の共通点 / “チェキ” instax mini Evo インタビュー
独自の感性とクリエイションで人々の心を揺さぶる表現者の“視線”に迫る連載企画『見せてよ、きみが見てる世界。』がスタート。12月3日登場の、チェキシリーズ新製品「“チェキ” instax mini Evo(以降、Evo)」を使ってゲスト自身が撮り下ろしたチェキプリントと共に、感情をアウトプットする方法や、表現に対するこだわりを伺います。
第一弾はアーティストの長塚健斗さんが登場。エクスペリメンタル・ソウルバンド、WONKのボーカルとして世界水準の音楽を発信するほか、都内にあるビストロで料理長を努めた経歴もあるなど、その多才ぶりに注目が集まる長塚さん。音楽制作の際に考えていることから、カメラとの関わりまで幅広く話してもらいました。
PROFILE
長塚健斗
WONKのボーカリスト。個人では、冨田ラボやKing Gnu、millennium parade、Ryohu、elephant gym(台湾)、SOIL&”PIMP” SESSIONSらの作品に参加。料理人としての一面も持ち、大学在学中よりイタリアンやフレンチの有名店出身のシェフの下で本格的に修行を開始。都内ビストロの立ち上げに料理長として携わる。現在もフランス料理をベースに商品開発やイベントを開催。所属レーベルEPISTROPH ではオリジナルブレンドコーヒーシリーズの監修やフレグランスシリーズのプロデュースも行う。
WONKの歌詞が生まれる瞬間。大切なのは「感情を頭の本棚にしまう作業」
日本のみならず海外でも根強いファンを獲得しているWONK。その魅力は、ジャズやソウル、ヒップホップ、ゴスペルなどのジャンルを柔軟に取り入れた音楽性です。一枚のアルバムの中で多様な世界観を表現しながら、どの楽曲も一聴しただけですぐにWONKとわかる。そんな独自性の高いサウンドには、長塚さんの透明感のある歌声が欠かせません。
「自分の声を楽曲にどのような雰囲気で落とし込むかを探るために、レコーディングの前はいろいろな歌手の音源を聴きあさります。もちろんそれは真似するのではなく、空気感をイメージすることが目的。僕の声だったらどう表現できるのかを、何度も聴いて模索するんです。常に大事にしているのは、自分の声との対話ですね」
多種多様な音楽と自身の歌声にとことん向き合うことで、表現の幅を広げている長塚さん。自身が全楽曲で担当している作詞でも独自の姿勢を貫いていました。
「これまで実際に抱いた感情や思い出を歌詞にするようにしています。自分自身がリアルに経験したことでないと、説得力を持たせられないような気がして。日常生活でも、歌詞にできそうな感情が生まれる瞬間は大事にしていたい。そうしたものを忘れずに、“頭の中の本棚”に入れて整理する作業は意識的に行っていますね」
「何気ない日々の帰り道でもその時々の感情はそこにあって、それをもとに作詞することもできるんです。けれども、そういう瞬間って気をつけていないとスルーしてしまう。意識的にこの感情を形にしよう、と思うこと自体が作詞をする上で大切なことだと思います。そういった意味で僕が尊敬するのは星野源さんですね。ありふれた日常を切り取るセンスがずば抜けている。何気ない日常を綴った曲であっても、単なる“あるある”を超えた深いところで共感を覚えるんです。星野さんのように、思わずそれが真理ですよね、と言いたくるような歌詞を僕も書いてみたいですね」
「作詞をしているのと似ている」。長塚さんと写真の関係性
Evoの最大の特長は10種類の「レンズエフェクト」と10種類の「フィルムエフェクト」をかけ合わせることで、100種類の表現ができること。その機能をフル活用して、長塚さんにさまざまな写真を撮影してもらいました。
「実はカメラってあまり使ったことがなかったんです。Evoは多機能なのに操作が簡単だから安心しました。プリントする写真も撮影後に選ぶことができるので、フィルム切れを心配せずパシャパシャ撮れるのもいい。軽くてコンパクトなので、リハーサルの時から食事の時まで、いつも持ち歩いていましたね」
「実は僕以外のバンドメンバーは筋金入りの“カメラガチ勢”なんですよ。過去に新宿の大型カメラ量販店に連れて行かれて、おすすめの機種を延々とプレゼンされたこともあったくらい。結局その時なぜか僕はギターを買って帰ったのですが(笑)、そんなメンバーからもEvoは高評価でした」
「ミラー」のレンズエフェクトを活用したアーティスティックな自撮りや、「レトロ」のフィルムエフェクトとの相性抜群なコントラバスの写真など、写真でも多様な表現をしてくれた長塚さん。しかし、意外なことに写真はもともと苦手だったとのお話も。
「もっとも苦手意識を持っていたのは被写体になることですね。カメラを向けられたときに適切な表情やポーズを取れなくて。大学時代にヘアカタログのモデルを始めて、何度も試行錯誤を繰り返すうちにようやく自分の見せ方が分かってきたんです。写真を撮影することも、Instagramを活用するようになるまでは敬遠していました。上手く撮らないといけないという思いもあったのでしょうね」
「Evoで撮影をして思ったのは、日常のなんてことない瞬間にいいなと思えることがたくさんあると気付かせてくれること。フィルターを使えば雰囲気のある仕上がりになるので、身構えすぎずに撮影できました。リハーサル中のメンバーはライブの時と違ってリラックスした表情をしているし、友達といる時の自分はこんな顔をしているのかと意外な発見もできましたね」
「あとは、作ったご飯や、自宅に置いてあるゴルフクラブですら、写真として形に残しておくと、その時の感情やそれにまつわる思い出が蘇るんです。単なるスマホのデータとはまた違って、思い出に味が出ますよね。考えてみたら、写真を撮る感覚って作詞をしているのと同じなんですよ。自分が大切にしているのはこの感情を“切り取る”作業なんだなと気づきました」
text by 山梨 幸輝
photo by 中村 寛史
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