ミュージシャン・にしな がmini 12で残すライブの思い出。歌で切り取る春の“あの時”
唯一無二の歌声と、楽曲の世界へと一瞬でワープさせてくれる表現力豊かな歌詞で、多くのリスナーを虜にするミュージシャンのにしな さん。『スローモーション』『東京マーブル』などの人気曲を収録したアルバム『1999』に続き、今年の3月にはradiko CMソング・ABEMA「今日、好きになりました」挿入歌にも起用されている『春一番』をリリースし、その注目度はさらに高まっています。
そんなにしな さんは合計3台を愛用する大のチェキ好きという一面も。今回は『春一番』の制作秘話や自己表現へのこだわりに加え、新製品「“チェキ” INSTAX mini 12(以降 mini 12)」を使った感想など、幅広くお聞きしました。
PROFILE
にしな
新時代、天性の歌声と共に現れた新星、「にしな」。
やさしくも儚く、中毒性のある声。どこか懐かしく、微睡む様に心地よいメロディーライン。無邪気にはしゃぎながら、繊細に紡がれる言葉のセンス。穏やかでありながら、内に潜んだ狂気を感じさせる彼女の音楽は、聴く人々を徹底的に魅了する。Spotifyがその年に注目する次世代アーティスト応援プログラム「RADAR:Early Noise」に選出。ゆっくりとマイペースにリスナーを虜にしてきた彼女の声と音楽が、静かに、そして、より積極的に世の中へと出会いを求めに動き出す。最重要ニューカマー、「儚さと狂気」を内包する才能が、ここに現る。
単なるラブソングではない。「春一番」が心に響く理由
前回の取材では「映像的なイメージから歌詞を作り始めることが多い」と語ったにしな さん。新曲『春一番』でも、『青い春にくたびれたシャツ』『開けっ放しにした窓 遠くで鳴るチャイム』など、日常を瑞々しい感性で切り取った映画のワンシーンのような歌詞が印象的です。
「楽曲の原型は数年前にできていました。自宅で窓の外を見ていたら、ハンガーが揺れているのが目に留まって。それが春だったということもあって、なんだかノスタルジックな気持ちになったんです。昔仲が良かった人たちの顔が浮かんで、『みんな元気かな』と。そんな思いを逃さないようにギターを手に取って、当時のお気に入りだったシンプルなコードを当てはめながら楽曲を仕上げていきました」
「真っ直ぐに受け止めたら、過去の恋愛を思い出すような歌に聞こえると思います。ただ、私がいろいろな人の顔を浮かべながら作ったように、ラブソング以外の捉え方をしてもいいのかなと。『好き』という気持ちは友人に抱くこともあるじゃないですか。例えば『校庭の桜の木の下に置いてきたつもりだった』という歌詞は、桜の木の下で告白した思い出を置いてきたと捉えてもいいですけど、みんなでタイムカプセルを埋めたような想像もできますよね。そんなふうに、あえて輪郭をぼんやりさせる書き方をしているんです」
歌詞に“余白”があることで想像が膨らみ、多くの人が「自分の曲」だと感じられるのが「春一番」の魅力の一つ。多くの人の心に響く作品を制作し続けるにしな さんですが、最近は自己表現そのものに対する考えが変化しつつあると話します。
「音楽に限らず、全ての自己表現は、他者に自分のことを知ってもらえる手段だと思うようになりました。もう一つ考えているのは『私はこんな人間だよ』と自分をさらけ出すことで、他者に心を開いてもらえるきっかけにもなること。私は内にこもりがちな性格なので、自己表現こそ人と繋がる手段なのではないかと気づいたんです。私にとって自己表現というのは、やっぱり欠かせないものですね」
「不意打ち」と「動物」。チェキ愛好家・にしな さんのマイブーム
「“チェキ” INSTAX mini 8+(以降、mini 8+)」や「“チェキ” INSTAX SQ20(以降、SQ 20)」「“チェキ” INSTAX mini 40(以降、mini 40)」を愛用する大のチェキファンであるにしな さん。今回リリースされたmini 12を使った感想を伺いました。
「見た目は初めて買ったmini 8+と似たポップなデザインですが、格段に進化していますね。撮影してからプリントされるまでの時間が圧倒的に早くなっていて驚きました。それと『クローズアップモード』を使うと接写でも綺麗に撮れるのも良くて。普段あまりしない自撮りをたくさんしたくなりました。あとはカラーが5色あるので、どれを手に取ろうか迷いましたね」
そう語るにしな さんは、春らしい色味の「ライラックパープル」をセレクト。自身が出演するライブでも持ち歩き、様々なシチュエーションで撮影しているそうです。
「ライブごとにチェキで必ず写真を撮るようにしていました。写すのは、その土地のことがわかるものが中心。あとはスタッフさんを撮ることも多いですね。ライブだけでなく、舞台裏の空気感も残しておきたいんです」
撮り溜めたチェキプリントを保存するアルバムは2冊目に突入したのだとか。チェキが日常に根付いているにしな さんの現在のマイブームはなんでしょうか?
「不意打ちの瞬間を撮ったほうが、ポーズや表情をバッチリ決めているよりも素の状態を残すことができて好きだなと思っていて。あとは『春一番』のMVを撮影している時に、キャストの子供たちが桜の花びらを投げている瞬間も撮影しました。地平線の感じや、春っぽい雰囲気が気に入っていますね」
「もう一つのマイブームは動物。以前、カメラマンの松岡一哲さんにポートレート写真を撮影していただいたときは、『フラッシュを焚いて犬と一緒に目を光らせてほしい』とお願いしたくらいです。いつかチェキを持って訪れたいのは、野良猫がたくさんいる宮城県の田代島と、野生の馬に会える宮崎県の都井岬。大抵の動物は予想外のリアクションを見せてくれるのが面白いんです。そういう意味でもやっぱり私は“素”を切り取るのが好きなのかもしれませんね(笑)」
text by 山梨幸輝
photo by Kana Tarumii
hair&make by Chika Ueno
styling by KAZUHIDE UMEDA
ネックレス¥25,300、右手リング ¥9,350、左手中指¥24,200、左手薬指¥27,500
すべてJUSTINE CLENQUET(THE WALL SHOWROOM)
問い合わせ先:THE WALL SHOWROOM 03-5774-4001
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