岸谷五朗、実は大の写真好き！キース・ヘリングの最新舞台やカメラについて語る

――他にも、これまでに撮った写真の中で印象に残っているものがあれば、その撮影エピソードを教えていただけると嬉しいです。

いっぱいあるなぁ。最近のものだと……たとえば、この間EXILEのメンバーが家に飲みに来ていたんです。久々に仕事抜きで飲んでいて、そのときに撮ったものはいい写真でした。みんな「本当にEXILEかよ」という顔で（笑）。やっぱり、僕はそうやって仲間全員で撮った写真が一番好きですね。もちろん芸術性の高い写真もありですが、仲間と集まって、ワーッとしているものがいい。仕事仲間と一緒に撮っても、「この人間たちとものを作ったなぁ」という思い出になりますよね。この間までやっていた＜The Love Bugs＞（寺脇康文さんとの演劇ユニット「地球ゴージャス」の公演）の際にも、千秋楽当日の舞台が始まる前に、楽屋でみんなで写真を撮りました。共に汗をかいて頑張ってきた仲間が一枚に集合しているパワーというのはすごいものがありますよね。

――岸谷さんは役者や演出家としてのお仕事においても、人との繋がりや、「みんなでものを作っていく」ことを大事にされている方だというイメージがあります。

そうですね。やっぱり僕は人間が面白いと思っているから、仲間と最高の状況で撮っている写真が一番好きなんだと思います。あと、写真好きとしては「密かに撮る写真」も好きですね。たとえば大阪公演のときに、自分たちの夢の劇場でもあるフェスティバル・ホールの楽屋の外のベランダで、コーヒーを飲む寺脇康文を遠目から盗み撮りしたり……（笑）。そういう飾らない瞬間が好きなんですよ。一方で、僕は風景写真には興味がない。すごく珍しい場所に行っても、景色だけでは撮らないので。たとえばアフリカのようになかなか行けない場所に行っても、素晴らしい世界遺産を見ても、そこに関係のある仲間が写っていないと、自分の場合は意味がないんです。自分にとって写真とは、「人」を撮るものなんだと思いますね。

――実は今回お渡しした「“チェキワイド” instax WIDE 300」も、フィルムサイズが通常のチェキの2倍ある機種で、人との集合写真などが撮りやすいタイプのものなんです。

撮ってみてもいい?

（取材風景を撮影しているカメラマンと岸谷さんのスタッフを見て）じゃあまずは、この集合体を……（カシャッ）。

やっぱりチェキは、こうして撮った後に画が浮かんでくるのを待っている間のドキドキ感がいいですね。今回の舞台の中にも、（ツェン・クワン・チー役の）平間壮一が喋りながら写真を現像して吊るしていくシーンがあるんです。そのときに、どこで定着液をつけて、現像を止めるか、というのも写真家のセンスだったりしますよね。

――このチェキで、これからどんなものを撮ってみたいですか?

動いているものを撮ってみたいですね。舞台には動いている役者と止まっている役者がいるので、その両方を撮るのも面白そうだし、俳優がワーッと踊っているところだと、被写体がブレたりして面白いかもしれない。写真には、すごい力がありますよね。僕はいまだに楽屋に写真を飾るし、我が家にもたくさん写真が飾ってあるんです。自分が撮った犬の写真や、昔の家族の写真が点在しているような状況で。中でも寝そべっているゴールデンレトリバーと小さい子供の写真をチェキで撮ったものはお気に入りのひとつです。犬の方が人より大きいというのも面白いし、子供がまた、いい顔をしているんですよ。爆笑していて。

――お子さんが成長されると、今度はお子さんの方が犬よりも大きくなったりと、また別の楽しみ方が生まれるのも写真の面白いところかもしれません。

うん、そうですよね。やっぱり写真は、「歴史」があるものなんだと思いますね。

岸谷さんのチェキダイアリーはこちら

今回使用したチェキ

“チェキワイド” instax WIDE 300

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text by Jin Sugiyama
photo by 横山マサト