シンガーソングライター・岸 洋佑が考える「ライブツアー」と「チェキ」の共通点。データではなく“生”にこだわる理由
甘い歌声と心にまっすぐ響く歌詞で人気を集めるシンガーソングライター・岸 洋佑さん。2017年には特撮ドラマ『宇宙戦隊キュウレンジャー』で俳優デビューし、2020年に個人事務所を設立するなど、精力的に活動の幅を広げています。そんな岸さんが現在挑戦しているのがキャンピングカーで47都道府県を回るライブツアー「47 Life is an Adventure with Crew」。今回はライブを企画した理由から、表現へのこだわりまで幅広くインタビュー。さらに、様々な撮影エフェクトをかけ合わせることで100通りの写真表現ができる「“チェキ” instax mini Evo(以降、Evo)」を使った感想についても伺いました。
PROFILE
岸 洋佑
1993年7月2日生まれ・神奈川県出身。シンガーソングライター・俳優・ラジオパーソナリティー。
2010年『EXILE presents VOCAL BATTLE AUDITION2~夢を持った若者達へ~』にオーディションで30000人の中からファイナリストとして選出される。4年間の芸能活動、社会人経験を経て、2017年に『宇宙戦隊キュウレンジャー』(テレビ朝日系列)にスティンガー/ サソリオレンジとして出演。2018年に日本コロムビアよりメジャーデビュー。2020年に個人事務所を設立。2022年は「音楽で日本とエンタメ業界を元気にする」を目標に全国47都道府県キャンピングカーで回るフリーライブツアーを開催中。
「人のためにしか生きられない」。強固な“覚悟”が生んだ異色のツアー
「コロナ禍になって、毎日『明日死ぬかもしれない』と思って生きるようになったんです。今のこの状況って10年前には誰にも想像できませんでしたよね。ということは、今後も想像ができないような事態が起こるかもしれないし、それは明日かもしれない。そう考えるようになったら、楽しいことは明日に残さず、言いたいこともためらわず全部伝えるようになりました」
真っ直ぐな目で、熱のこもった口調でそう語る岸さん。47都道府県をキャンピングカーで旅しながらライブを行うという大胆な企画「47 Life is an Adventure with Crew」も、そんな思いから生まれたものでした。
「コロナ禍でライブをする機会が減ってしまったんです。今では東京のライブハウスを借りることは難しくなくなりましたが、地方で同じことをするのはまだ色々とハードルが高いと感じますね。それなら『こっちから出向くしかないでしょ!』と。もちろん、配信ライブという手段も考えましたが、お客さんが感じてくれている僕の魅力は、ライブで歌ったときの独特の“圧”とか“覇気”なのではないかと思いまして。だからこそ絶対に生の声を届けたかったんです」
「僕が経営する会社は社員が数人しかいないので、正直に言うと無謀な企画です。でも、いろいろな企業に直接営業をかけて、キャンピングカー、音楽機材、そしてライブ衣装までをサポートしてもらえて、なんとか開催できました。大きい事務所じゃなくてもこんな企画ができることを世の中に示したいという思いもあったので、まだまだコロナの影響を受けている音楽業界に少しでも希望を与えられたら嬉しいです」
4月より無事にスタートした「47 Life is an Adventure with Crew」。様々な困難を乗り越えて、久々に直接見ることができた観客の姿は格別だったと話します。
「配信ライブでは得られない喜びがありました。お客さんが曲の終わりに拍手をしてくれて、『元気ですか?』と聞いたら手をあげてくれますから。たとえマスクをしていたって、声が出せなくたって、その姿で喜んでくれているのが分かるんです。それに、自分が大好きで仕事を一緒にしたいと思っていた人たちとその景色を見られたのも感無量でした。『明日死ぬかも』と思うようになって1番の変化は、人のためにしか生きられなくなったことです」
「写真も“生”だと想いが伝わる」。岸さんが考えるチェキの魅力
「写真をプリントする工程が好きです。心にゆとりを与えてくれる気がするんですよね。それに、もらう側にとっても、データよりモノとしての写真の方が想いが伝わりやすいんじゃないかと思います」
音楽と同じように、写真もデータではなく“生”の温もりにこだわりたいという岸さん。シンガーソングライターや俳優として活動する中で、チェキを使用する機会も多かったと話します。Evoを使った感想について伺いました。
「Evoは10種類の『レンズエフェクト』と10種類の『フィルムエフェクト』を掛け合わせて100通りの表現ができるので、いろいろな景色をカッコよく撮ることができるんです。『これは映えそう!』と、いろいろなシチュエーションでチェキを構えたくなりましたね。仕事柄、チェキには自分や誰かを写して渡す販売ツールというイメージを抱いていたのですが、人物以外を撮る選択肢ができました。Evoが写真をより日常的な存在にしてくれたんです」
「今回Evoで撮影したのは、ライブ会場やスタッフ、キャンピングカーなど、ここ最近の日常風景。お気に入りのレンズエフェクトは『光漏れ』ですね。都道府県の数にちなんで“47”にしたナンバープレートも、おしゃれに撮影できました」
「自分の顔がプリントされた車に乗ることってまずないので、記念にキャンピングカーとの自撮りもしました。画角がバッチリで“奇跡の一枚”だと思ったのですが、後でEvoのレンズの横に自撮り用ミラーがついているのを知ったんです。これからは“奇跡”を起こさなくてもいい写真が撮れそうですね(笑)」
新潟のショッピングモールで行ったライブのほか、音楽機材の提供を受けている『YAMAHA』が企画したギターの試奏会の様子や、スタッフの姿など、日常のさまざまなシーンを切り取ってくれた岸さん。しかし、意外にも「写真を撮るのは得意じゃない」とのお話も。
「目に見えないだけで、音にも色があると思うんです。そういう意味では、同じく色を操る写真も似た存在だと思うのですが、どうしても僕には視覚的な表現のセンスがなくて(笑)。だから僕にとっての自己表現はやっぱり音楽なんです」
「でも、そんな僕がツアー中に写真を撮りまくったらどうなるかとも考えています。もしかしたら終わる頃には展覧会を開けるくらい上手になっているかもしれない。そう考えたらワクワクしますよね。ツアー真っ最中の今も、挑戦したいことだらけです」
text by 山梨 幸輝
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